POP/IMAPサーバ(Dovecot)

Postfixをインストールしただけでは、メールの読み出しは出来ない。 Postfixはメールを配信するためのSMTPサーバーとしての機能しか持たない。ここではdovecotをインストールすることにより、POP3/IMAP4どちらでもメールを読み出せるようにする。
■dovecotのインストール
dovecotは高セキュリティー性を重要視して開発されたPOP3/IMAP4サーバーソフトウェアー。

[root@server1 ~]# yum -y install dovecot

■dovecotの設定ファイルの編集
dovecotはPOP3/IMAP4どちらにも対応している。しかしインストールした時点では、IMAP4サーバーとしてしか動作できない。そこでPOP3サーバーとしてもメールが読み出せるように、設定ファイルを編集。

[root@server1 ~]# vi /etc/dovecot/dovecot.conf ← dovecot.confを開く
Protocols we want to be serving.
#protocols = imap pop3 lmtp
↓
protocols = imap pop3 lmtp ← #を外す
# Space separated list of trusted network ranges. Connections from these
# IPs are allowed to override their IP addresses and ports (for logging and
# for authentication checks). disable_plaintext_auth is also ignored for
# these networks. Typically you'd specify your IMAP proxy servers here.
#login_trusted_networks =
disable_plaintext_auth = no ← プレインテキストのパスワード認証(追記)
メールボックス格納形式をMaildir形式とする
[root@server1 ~]# vi /etc/dovecot/conf.d/10-mail.conf
#   mail_location = maildir:~/Maildir
#   mail_location = mbox:~/mail:INBOX=/var/mail/%u
#   mail_location = mbox:/var/mail/%d/%1n/%n:INDEX=/var/indexes/%d/%1n/%n
#
# <doc/wiki/MailLocation.txt>
#
#mail_location =
↓
mail_location = maildir:~/Maildir ← #を外し maildir:~/Maildirを追記

■dovecotの起動

[root@server1 ~]# /etc/rc.d/init.d/dovecot start
Dovecot Imap を起動中:                                     [  OK  ]
dovecotの自動起動設定
[root@server1 ~]# chkconfig dovecot on
dovecotの自動起動設定確認
[root@server1 ~]# chkconfig --list dovecot
dovecot         0:off   1:off   2:on    3:on    4:on    5:on    6:off
                (ランレベル2~5のonを確認)

POP/IMAPサーバを使うには、ルーターの設定が必要なので、110番(POPの場合)または143番(IMAPの場合)のポートを開ける。
■ ポートチェック【ポート開放確認】
「管理しているサーバーが外部から接続アクセスできるか?」「ポートは開放されているか?」「portは閉じているか?」「ルータのポートは開放されているか」等の
ポートチェック・ポートの疎通確認テストはこちらで
■メールアドレスの作成
メールアドレスは新しくユーザーを追加することにより作成可能だが、メールのみ使用するユーザーが telnetやsshを使える状態にしておくのは望ましいことではない。 useraddに -sオプションを付けてシェルを/sbin/nologinに設定することでログインできなくなる。
t-higoというメールアドレスを追加したい場合は、以下のコマンドを実行。

[root@server1 ~]# useradd -s /sbin/nologin t-higo

■ユーザーt-higoのパスワードを設定

[root@server1 ~]# passwd t-higo
Changing password for user t-higo.
New UNIX password: ← パスワードを入力(表示されない)
BAD PASSWORD: it is based on a (reversed) dictionary word
Retype new UNIX password: ← 再度同じパスワードを入力
passwd: all authentication tokens updated successfully.
これで以下のようなメールアドレスが使用可能となる。
メールアドレス   t-higo@yokensaka.com

■セキュリティレベルの設定
CentOSのインストールに時ファイアウォールを有効にした場合は、メールサーバーへのアクセスは出来ない。そこで、セキュリティーレベルを変更して、SMTPサーバー及びPOPサーバー、IMAPサーバーへアクセスできるようにする。 X Window Systemで起動し「アプリケーション・メニュー」から「システム設定」-「セキュリティレベル」を選択して「セキュリティレベルの設定ツール」を起動する。メールの送受信を可能にするには、「セキュリティレベル」で「ファイアウォールを有効にする」を選択し、「信頼できるサービス」の「メール(SMTP)」にチェックをし、「他のポート」に「110:tcp,110:udp,143:udp,993:tcp,993:udp,995:tcp,995:udp」と入力する。