S90の撮影手順

S90の撮影手順は、先日、初期設定について書いたことに付け加えて、実際撮影するときは、更に一工夫しています。写真はなるべく適正露出で撮影することが、高画質へと繋がりますので、いかに適正露出で撮影するかという事について、あにょがやってることを少し書いてみようと思います。S80のときも同じ撮影手順でした。
下の写真は、露出を-0.67、絞りをF8にして写したもので、ノートリ、ノーレタでリサイズのみの写真です。
20091114-IMG_0538
TSN-884+28XWDA+S90 1/50s F8.0 ISO100 -0.67ev 22.5mm(3465mm) 絞り優先 WBオート
すでに、初期設定を済ませ、それをカスタムモードに登録してあるということを前提に話を進めていきます。

  1. カスタムモードで起動
  2. 鳥が来ると思われる枝にピントを合わせる
  3. 露出補正ボタンを押してモニターのヒストグラムと液晶画面を見ながら
    ヒストグラムの山が中央より少し左側(アンダー)になるように、露出補正量を決める
  4. 露出補正が済んだら露出補正ボタン(コントローラーホイールの上のボタン)を再度押して絞り調整が出来る様にする
  5. シャッターボタンを半押ししてみてヒストグラムの変化をチェックする
  6. シャッター半押しで、ヒストグラムが変化しなければ、絞りはそのままでもいいが、
    ヒストグラムが変化するようなら、絞りを調整して、ヒストグラムが変化しないようにする
  7. 以上で露出補正量と絞りが決まるので、後は状況に応じて絞りを変えることにより明るさの微調整をする
  8. 空抜けとか、黒バックのときは、ヒストグラムを見ながらというより、液晶画面をみながら、被写体が適正露出になるように露出補正して、ヒストグラムが変化しないような絞りで撮影する

上の写真はヒストグラムが変化しない絞りがF8だったのでF8に絞って撮影しました。
※節電の設定でオートパワーオフを「入」にしてる場合は電源を入れなおすたびにカスタムモードの初期設定に戻るので、再度、上記の作業を行う必要があります。予備電池が数個ある場合はオートパワーオフを「切」にしておいた方がいいと思います。
■追記
i-コントラストを「自動」にして、F8等に絞るとかなり明るくなる場合がありますので、あくまでも上記撮影方法はi-コントラストを「切」に設定したときの撮影方法です。i-コントラストを「自動」にした場合は、シャッター半押しで明るさが変化することもありますが、概ね液晶で表示されてる明るさで撮影できます。

S90初期設定

S90、使っていくうち多少変わる可能性もありますが、現段階でのあにょの初期設定です。
20091112-face-design-upper.jpg
20091112-face-design-back.jpg
モードダイヤル設定

モードダイヤル 絞り優先AEモード
F値 3.2
露出補正 -2/3

コントローラーリング設定

RING FUNC ZOOM「ステップズーム」
ズーム 50mm

20071003-func.gif

ISO感度 ISO80
ホワイトバランス AWB
マイカラー カスタム「シャープネス-2」
ブラケット撮影 BKT-OFF
ストロボ調光補正 ±0
測光モード 中央部重点平均測光
ドライブモード 連続撮影
記録画素数 L(10M)

20071003-satuei.gif

AFフレーム 中央
AFフレームサイズ
デジタルズーム
ピント位置拡大
サーボAF
AF補助光
MF拡大表示
セーフティMF
ストロボ設定 デフォルト
i-コントラスト
セーフティシフト
撮影の確認
レビュー情報 非表示
情報表示設定 デフォルト
手振れ補正
日付写し込み
RAW+JPEG記録
ショートカット登録 ISO感度
カスタム登録 現在の設定を登録「OK」

20071003-settei.gif

消音 する
音量 消音「する」の場合、設定できない
音の選択 デフォルト
機能ガイド
液晶の明るさ -1ステップ
起動画面 デフォルト
カード初期化 速度が低下したら物理フォーマットを選択
画像番号 通し番号
フォルダ作成 毎月
レンズ収納時間 1分
節電 オートパワー「切」、ディスプレイオフ「1分」
エリア設定 2箇所設定できる
日付/時刻 日付と時刻を設定する
距離表示 m/cm
ビデオ出力方式 NTSC
言語 日本語
初期設定 工場出荷時の初期設定に戻す場合

※グリーン文字部分変更(11/22)
この設定はあくまでもあにょの設定であって、PCでの補正が面倒な人とか苦手な人は、マイカラー「切」、i-コントラスト「自動」のほうがいいかもしれません。
撮影時の設定
■ モードダイヤル 「カスタム」
■ ストロボ設定 「発光禁止」
■ ヒストグラム表示  「DISPボタンを押してヒストグラムを表示」

S90のピント精度

デジスコ全般に言えることですが、スコープ側のピントが前ピン気味だとカメラのAFはピントを合わせることなく合焦マークを出す事があります。当然ピンボケになります。それとは反対にスコープのピントが後ピン気味だと、比較的カメラのAFでピントを合わせることができます。S90も同様の傾向にありますので、スコープのピントは少し後ピン気味のほうが、歩留まり良くピントの合った写真を撮るコツだと思います。
テストチャートを寝かせた状態から30度ぐらい起して斜め上から撮影。スコープのピントを少し後ピン気味にして、カメラのAFで撮ったものです。ちょっと後ピン気味ですが、特に問題ない範囲だと思います。
20091105--01
これはスコープのピントを中央のターゲットにしっかり合わせた後、カメラのAFで撮ったものです。当然ですがしっかりピントは合ってます。
20091105-00
次はスコープのピントを少し前ピン気味にして、カメラのAFで撮ったものです。合焦マークも出てたので、そのままシャッター切りました。案の定、しっかり前ピンです。(^_^;)
20091105-01
これは更にスコープのピントを前ピンにして撮ったものです。結構前ピンでもカメラのAFは合焦マークを出します。7~8cmも前ピンです。(^_^;)
20091105-02
いずれも中央のターゲットにAFフレームは合わせてます。また、AFフレームサイズは「小」で撮ってます。AFフレームサイズが「標準」だともっと前ピンでも合焦マークはでます。野鳥撮影ではAFフレームサイズは「小」のほうが良いように思います。

S90のズーム別焦点距離

S90のズーム別焦点距離は35mm換算換算で28mm・32mm・35mm・40mm・45mm・50mm・60mm・70mm・85mm・105mmですが、50mmを境にテレ側のほうが解像度はいいです。特にテレ端に関しては超絶ものです。28mmは捨てるとして32mm~50mmがワイド側、50mm~105mmがテレ側ということになりますが、あにょはカスタム設定でズーム位置を50mmの中間域に設定しておき、そこからテレ側、ワイド側というふうにズームを変えながら撮影しています。この写真は50mmから2ステップ上げた70mmで写したものです。
20091105-IMG_0399
TSN-884+28XWDA+S90 1/60s F4.0 ISO80 -0.67ev 15.0mm(2310mm) 絞り優先 WBオート

GF1+MACRO-ELMARIT 45mm

先日発売になった Panasonic LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.
第一印象は小さい!!レンズ前玉も小さい!!そしてレンズを振ると「カタカタ」と音がします。一瞬不良品かなと思ったんですが、どうもレンズ内部の手振れ補正レンズが動いてる音らしいです。
20091030-IMG_6917
スコープに繋いでみました。
TSN-884+VA3で、合成焦点距離=1260mm 合成F値=7.2 になります。
20091030-IMG_6930
月を撮ってみました。なかなか良い感じです。(トリミングあり)
20091030-P1050443
TSN-884+VA3+MACRO-ELMARIT 45mm+GF1 1/80s F2.8 -1.00ev 45mm(1260mm) 絞り優先 WBオート
AFに関してはスコープ側はいい加減でもかなり正確にすばやく合わせてくれます。
飛び物に威力発揮してくれそうです。

S90感度別ノイズとディティール

カワセミを待ってる間、止まり木で感度別にテストしてみました。
デジスコの場合遅いシャッタースピードでも撮影できますので、出来るだけ最低感度のISO80で撮影したほうがいいのではと思ってます。S90は高感度を謳い文句にしてますが、ISO200とかISO400、またはISO800で撮影するメリットってなんでしょう?確かにシャッタースピードは稼げますが、ノイズも増え、ディティール損失もあります。飛び物を狙うときは少しでもシャッタースピードを稼ぎたいとの理由から高感度で撮影する場合もありますが、それ以外は高感度撮影は止め、なるべく最低感度で撮るようにしたいと思います。
ということで、感度別のノイズとディティール損失を見てもらいたいと思います。
7.5mm(35mm)1155mmのピクセル等倍です。やはりディティール損失のほうが気になりますね。ノイズはソフトである程度消すことも出来ますが、失ったディティールは戻ってきません。
20091027-s90_80

20091027-s90_100

20091027-s90_200

20091027-s90_400

20091027-s90_800

20091027-s90_1600

20091027-s90_3200

S90撮影時のクリアランス調整

S90は残念ながら、ワイド側でクリアランスを固定すると、テレ側で周辺減光が発生します。そこでテレ側ではクリアランスを広げてやらないといけません。また逆にテレ側でクリアランスを固定するとワイド側・中間域に周辺減光が発生します。したがって、ワイド側とテレ側ではクリアランス調整しなければいけませんが、28XWDAはクリアランス調整が出来るようにスライド機構が備わっていますので、ワイド側から中間域まではクリアランスを一番詰めた状態で横位置で撮影、テレ端とテレ端一つ手前は縦位置に変更することでクリアランスを8mm広げることが出来ますのでちょうど良い感じで撮影することが出来ます。本当はワイド側でもう少し詰めたいところですが、中間域からテレ側を多用するあにょとしてはワイド側はある程度犠牲にしてもしょうがないかなと思ってます。もっと細かく各ステップごとに最適クリアランスになるように調整すればいいのですが、フィールドではそんな面倒なことできませんから、(0mm)と(+8mm)の二通りのクリアランスで全ステップをまかなおうと思ってます。
追記:実際には1.5mmアイピース側にもぐるようにしてありますので、-1.5mmと+6.5mmということになります。
ワイド側から中間域は横位置で撮影。
20091027-IMG_6914
テレ端とテレ端一つ手前は縦位置にしてクリアランスを8mm広げて撮影。
28XWDAのねじを緩めてグイっと廻すだけなので簡単に縦位置に変更できます。
20091027-IMG_6912
縦位置だとドットサイトが使えなくなるので簡易照準器(ストロー)で対応。
これがまたフードに乗せた状態でバッチリ合ってました。(^o^)
20091027-IMG_6915
当然、ワイド側から中間域は縦位置、テレ側は横位置という逆バージョンもありです。
究具04バリアブルカプラーVCA-1を使えばもっと楽に調整できると思いますが・・・

S90ズーム別解像度

28XWDA(改)でクリアランス調整してズーム毎に色々撮り比べて見ました。ワイド側~中間域は以前に比べて良くなりました。ワイド側、中間域も今までの機材と同等かそれ以上に解像してますが、テレ側はそれ以上に良いですね。テスト機材はTSN-884と28XWDAですので他の組み合わせでは変わるかもしれませんが、概ね同じ傾向かなと思います。
今日は少し大きめのサイズ(1600×1200)でアップしますので見比べてみてください。
まずは 7.5mm(1155mm)
20091024-IMG_0413
TSN-884+28XWDA+S90 1/160s F2.5 ISO80 -0.33ev 7.5mm(1155mm) 絞り優先 WBオート
次は 10.7mm(1650mm)
20091024-IMG_0408
TSN-884+28XWDA+S90 1/100s F3.2 ISO80 -0.33ev 10.7mm(1650mm) 絞り優先 WBオート
次は 18.2mm(2805mm)
20091024-s90_18.2
TSN-884+28XWDA+S90 1/50s F4.5 ISO80 -0.33ev 18.2mm(2805mm) 絞り優先 WBオート
次は テレ端 22.5mm(3465mm)
20091024-s90_22.5
TSN-884+28XWDA+S90 1/20s F4.9 ISO80 -0.33ev 22.5mm(3465mm) 絞り優先 WBオート
最後にテレ端のピクセル等倍
20091024-s90_22.5~

S90クリアランス調整

S90+28XWDAの組み合わせで、テレ側に比べてワイド側が画質が甘いような気がしてたので、ワイド側でもシャープな写りになるようにクリアランス調整してみました。現在はレンズが一番伸びるテレ端で、28XWDAとのクリアランスは0.5mmです。あと2mm詰めたいところですが、これ以上近づけるにはアイピースを加工するしかありません。ということで、28XWDAのレンズ押さえ金具を削りました。レンズが外れてしまうのでエポキシで接着しましたが、画質に影響でなければいいのですが・・・(^_^;)
ブラケットは2mmのスペーサーを挟んであったのでそれをはずせば、ちょうど2mm詰めることが出来ます。28XWDAのレンズ押さえ金具の削ったところにS90のカメラレンズが接触してますが、まぁ、大丈夫でしょう~(^_^;) カメラオープナーが入るところの穴もなくなっちゃったので開け直しました。
28XWDA(改)のスライド機構を使い、ワイド端~6ステップまでは±0mm、7ステップ目(テレ端二つ前)~テレ端までは+5mm~+10mmで最適なクリアランスが確保できます。普段は±0mmにしておいて1000mm~2000mmを楽しみ、余裕のあるときにクリアランス調整してテレ側(2000mm~3500mm)で写すというスタイルでいこうと思います。
削ったところには黒のカッティングシートでも貼るつもりです。(削る前の写真を撮り忘れました。)
20091021-28XWDA.jpg
ケラレ、周辺減光はこんな感じになりました。2ステップ目で右隅がほんの少しケラレてますが、ほとんど問題ないレベルです。これ以降テレ端まで周辺減光は発生してません。はたしてこれで全域シャープな写真が撮れるのか?? 撮れることを期待して週末を待とう・・・
20091021-28XWDA_S90~.jpg
※それから、S90の合成焦点距離&合成F値を表にしたものもアップしておきます。
こちらにあります。右→のナビゲーションからもいけます。

背景のボケ

昨日は20XWFAで撮ったものをアップしましたが、どれを見ても背景のボケが綺麗じゃないです。20XWFAはすばらしいアイピースですが、背景までが近いとみんなこんな感じになりますので、20XWFAを使う場合は背景が抜けたところで使うようにすれば背景も綺麗にボケると思います。ということで今日は背景のボケ方を少し見てもらおうと思います。(ワイド端でケラレが発生してますがテスト撮影でしたのでご勘弁を・・)
まずは、ワイド端、焦点距離 924mmで撮影
20091019-IMG_0331
TSN-884+28XWDA+S90 1/200s F4.5 ISO200 -1.00ev 6.0mm(924mm) 絞り優先 WBオート
次は4ステップ目、焦点距離 1485mmで撮影
かなり背景のボケ方が変わります。ワイド側で撮ってトリミングしたほうが良いなんて事も言われますが、あにょはトリミングするぐらいならズームして撮ったほうが背景が綺麗にボケるのでなるべくノートリで撮るようにしてます。
20091019-IMG_0337
TSN-884+28XWDA+S90 1/200s F4.5 ISO200 -1.00ev 9.6mm(1485mm) 絞り優先 WBオート
続いて開放と絞ったときのボケ具合
まずは開放で撮影
20091019-IMG_0076
TSN-884+28XWDA+S90 1/80s F2.0 ISO80 0.00ev 6.0mm(924mm) 絞り優先 WBオート
次はF8.0に絞って撮影
これもかなり背景のボケ方が変わりますね。被写界深度を稼ごうという事でむやみに絞らないほうがいいです。恕アップのときは絞るとピントの合う範囲が広がり撮りやすくなりますが、それ以外は開放で撮り、背景をぼかすようにしたほうがいいですね。
20091019-IMG_0110
TSN-884+28XWDA+S90 1/10s F8.0 ISO80 -0.67ev 6.0mm(924mm) 絞り優先 WBオート